2015年07月14日

おはようございます!7月15日(水)は羅王です♪

忙しいのは好きですが、

たとえ自分が決めた日程とはいえ、あわただしいのは苦手です。

お金を儲けるのは好きですが、

そのために自分の時間がなくなり、振り回されるのは困ります。

そういう方は(私も含めて!)、ほどほどな仕事量と平凡な人生とやらを望んでいるのでしょうねぇ~、きっと。

さて、今日はなぜかたったの一日になってしまった7月の出演日です!

11時~21時です。

時間のある方は、梅田OPA地下一回の「黒薔薇」にどうぞ♪

では、話は変わって、今日は私のエッセイ集から「メルヘン」をひとつ:

メルヘン「森の小人・ジョーイの旅」

森の小人ジョーイの旅の画像
ジョーイの旅
 
森の小びと(ジョーイの旅)

 
大きな森の中にジョーイというやさしい小人が住んでいました。
ジョーイの仕事は他の小人たちと同じように鉱脈を掘ることでした。
彼は妻のリリィ息子のトム娘のカリンと一緒に、家族四人でとても幸せに暮らしていました。

ある日ジョーイは仕事帰りに見たことのないキノコを見つけ、ひと口食べました。
ん?・・・・・
あれ?・・・・・キノコはちょっとかわった味がしました。
毒キノコだったのです!

その日からジョーイは変わりました。
自分が誰だか分からなくなったのです。

あれほど好きだった仕事が面白くなくなりました。
今までの友人たちがうとましくなり、一人で過ごすことが多くなりました。

笑顔にあふれている家族にも、なぜかさみしく微笑むようになりました。
そして、ジョーイは夜な夜な娼婦のミーシャと戯れ、処女のカーナを犯し、
果ては人妻のモニカと駆け落ちしてしまいました。

でもすぐにモニカは、仕事もなく、お金もなく、住むところもないジョーイのもとを離れました。

ジョーイは一人で大きな森を抜け、どこまでも続く丘を歩いて放浪を続けました。
そして丘が終わる地点にある大きな切り株の上に座って
遠くに広がる大洋を来る日も来る日も飽きずに眺めていました。
ジョーイはこれからどうしていいのか分からなくなっていました。
ジョーイは自分が本当は誰を愛しているのか分からなくなっていました。
ジョーイは自分が生きている理由を見つけることが出来ませんでした。

何度目かの夜、突然まわりが明るくなりました。

ジョーイはびっくりして見回して、さらに驚きました。
星が降ってきたのでした。
それもジョーイを埋め尽くすほどの星でした。
ひとつ触ると楽しい気持ちになりました。
別の星を触れると幸せな気持ちになりました。
また別の星に触れると胸が一杯になりジョーイの目からたくさんの涙が流れました。
そして最後に、ジョーイは大声で笑っている自分を発見しました。

そうだ。あるべき場所に戻ろう!
そうだ。今このままの自分でいいんだ!
そうだ。自分の愛すべき者たちの住まう場所に帰ろう!
そうだ。自分をいつも愛していてくれる者たちと一緒に暮らそう!

長い放浪の末に星々に出会い、
ジョーイは自分の気持ちと自分の居場所を思い出したのでした。

そして、そこから引き返すために、ふたたび長い旅を始めました。

果てのない丘を歩き、
いくつもの森を抜け、
家族や友人たちの住む森に帰って来たのでした。
ジョーイはなつかしい森で愛する人たちと再会し、赦して抱き合い、末長く幸せに暮らしました。

めでたし、めでたし♪   

おしまい。 

******** 森の小びとジョーイの旅  *******   
羅王 作

 

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